【空冷ポルシェとは】人気の理由を徹底解説

「空冷ポルシェってなに?」

ヴィンテージカー界隈で密かに人気を博している空冷ポルシェ。

そもそも空冷ポルシェってなに?って思う方もいらっしゃるかもしれません。

というわけで今回は、そもそも空冷ポルシェってなに?という方に空冷ポルシェについて、人気の理由から歴史、価格が高騰している理由について、紹介します。

空冷ポルシェとは

1963年「356」の後継車として生まれた911の空冷ポルシェとされ、901型(911型)のほか、930型、964型、993型とあります。

たったこの4つの型しかなくその後は水冷のポルシェや電動車しかありません。

901型に関してはプジョーが真ん中に0の入った3桁の数字の車名を全て商標登録したため911と改めて命名されました。

今では水冷エンジンが当たり前になった中、空冷エンジンの車はかなり珍しいです。

空冷ではデメリットが多いことが挙げられますが、水冷エンジンでは物足りない、空冷エンジンだからこその魅力があるとされ、空冷のポルシェは人気となっています。

空冷ポルシェはなぜ人気

今では効率が悪いとされデメリットだらけとされる空冷エンジンを使用した車の一つが空冷ポルシェではありますが、強制ファンとマフラーが奏でる独特の乾いたような音が最大の人気の理由です。

また、ラジエータを持たないことからシンプルでコンパクトに仕上げられたパワーユニットの設計とパーツ点数も少ないためメンテナンス面でも便利というのが人気の理由になります。

その他カエル目のスタイリングやコンパクトなボディ、ハンドリングやドライビングフィールが楽しめ、多くのファンを持ち、走ることの本質をいま一度見つめ直してみたいという人がいることで人気があります。

空冷ポルシェの種類はこの4つ

ここでは空冷ポルシェの歴史として901型、930型、964型、993型に分けてご紹介します。

901型

ポルシェ初の量産スポーツカー356に比べて車幅が狭かったため通称ナローと言われ、1963年から1974年まで356の後継者として生産されました。

SOHC水平対向6気筒、ボアφ80mm×ストローク66mm1,991cc、低騒音かつ高出力で2,700ccくらいまで拡大できるように設計されています。

また、特徴として総アルミニウム合金製のクランクケース、チェーン駆動されるカムシャフト、ドライサンプ、鉄をアルミフィンで包んだバイラル構造シリンダー、軸流式冷却ファン等が挙げられ、下記はそのほかの特徴です。

930型

911 Carrera.jpg
Rémi Duvergey - http://en.wikipedia.org/wiki/Image:911_Carrera.jpg Public log for the file page., パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=1453813による

2代目空冷ポルシェとして1974年〜1989年まで生産されました。

アメリカの安全基準に合わせるための大型バンパーが特徴的で通帳ビッグ・バンパーと呼ばれました。

圧縮比6.5の930/50型エンジンを搭載し、ボアφ95mm×ストローク70.4mm、排気量2,994cc(拡大されました)、260馬力(日本仕様は245馬力)大パワーに対応するタイヤを納めるべくフェンダーを備え全幅は1,775mmまで拡げられました。

また、クーペだけでなく、脱着式のルーフを持つタルガの2種があり、トランスミッションはポルシェ内製トランスミッション(ポルシェシンクロ)を採用していました。

1978年モデルからはカタログ上の名称のみ1978年「ターボ」、1979年「930ターボ」、1980年「911ターボ」となっていました。

また、その当時開発段階でポルシェシンクロトランスミッションの許容量がターボのパワーに耐え切れずやむなく4速にしたとされその性能の高さがうかがえます。

964型

3代目の空冷ポルシェとして1989年〜1993年まで生産されました。

930型似の外観で、見た目は変わらないものの従来と比べ80%ものパーツを新製し、サスペンションがフロントマクファーソンストラット+コイルスプリング、リアがセミトレーリングアーム+コイルスプリングに変更され、ボディー構造が一般的なモノコックになりました。

排気量は3,600cc、250馬力で「最新のポルシェで最良のポルシェ」言われただけあって一気に現代的なハンドリング(パワーステアリング)を得ることに成功しました。

四輪駆動のカレラ4も登場させ、フロアセンターが高くなっており、リアスポイラーは電動格納式、マニュアルシフトモード付きAT「ティプトロニック」も採用しました。

ボディーは当初よりクーペ、タルガ、カブリオレのほか1992年モデルからカブリオレターボルックが追加され、1993年にスピードスターも追加さました。

993型

空冷ポルシェの最後のモデルで1993年~1997年まで生産されました。

それまでの911の特徴のカエル顔から現在の911に近いデザインです。

1989年にハーム・ラガーイのデザインで発表されたコンセプトカー「ポルシェ・パナメリカーナ」と共通点が多いように見え、キャビン周りに964型のシルエットを残しながら、太腿とも呼ばれたフロントフェンダーの峰は低くなり、テールエンドのデザインも一新され、クーペのようなファストバックとなりました。

一方、リアフェンダーはリアサスペンションに採用されたマルチリンクのスペースを確保するため拡大され、マフラー容量の増大と、左右独立等長のエキゾーストをも実現したことにより排気系の改善に至りました。

また、エンジン音は964型同様静かで、1996年には可変吸気機構のバリオラムを装備し、カレラで13馬力アップの285馬力、カレラ4で15馬力アップし300馬力へアップグレードさせました。

ボッシュのHIDランプシステム「リトロニック」をオプション設定し、ベバス製電動スライディング・グラストップに変更されました。

空冷ポルシェが高騰している理由

半導体不足により新車供給が少なくなっていることから、古い車でもあまり走行していない車であれば価格が上がっています。

政府による新型コロナ対策で、給付金や雇用調整助成金などのお金が世の中に溢れるようになり、インフレとなり価格の上昇が高騰の原因とも言えます。

すでにアメリカでは物価上昇が進んでいます。

また、インフレの兆候を考慮してこれから価格が高くなるとされるクラシックカーとなる空冷ポルシェを買っておく人もいます。

さらに、コロナの影響で外出する機会が少なくなり車を使わなくなることを考えてレンタカー会社が車を一度は売ったものの、感染者が減ってきたり対策が進んできたことにより外出する人が増えてきたことで再び買い戻していることが影響しています。

そして、これらとは関係なく空冷ポルシェだけでなくフェラーリ、R34型スカイラインGT-Rなどの日本車も、グローバルに需要が高く、ヒストリー性と趣味性があり希少な資産とみなされていることも影響しています。

その他、空冷ポルシェの価格高騰では整備代が原因となっています。
ナロー911の場合でも生産されてから約50年経っており、それなりに整備代金がかかります。

まとめ

今の車はほとんどが水冷の車で、空冷の車に乗ってみたり、運転してみたことがある人はなんとしても欲しいという人がいるでしょう。

しかし、空冷の車に乗ったことがない人にとってはあまり興味がないかもしれません。

実際にオーバーヒートして、初代の物に関しては50年も経っているためメンテナンスも大変でお金もかかりますし、高額で嫌悪感を抱くかもしれません。

しかし、空冷の車が生産されない今、かつての空冷で今の時代を築き上げてきたポルシェは、今の車にはない魅力があります。

電動化など脱ガソリン車の動きが大きくなる中で是非空冷のポルシェを味わってみてはいかがでしょうか?

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