今更聞けない!ポルシェのエンジン音はなぜ美しいのか?

車を運転する上で、エンジンフィールは欠かすことのできない大切な要素です。

中でもエンジン音は、車を走らせる楽しさを十二分に感じることができ、高揚感を味わすことができます。

EV時代に突入しつつある昨今、高性能化への波が世界的に勢いを増す中、ポルシェの空冷エンジンのようなアナログだからこそ実現することができる乗馬的多幸感にも注目が集まっています。

今回は、そんなポルシェのエンジンの中でもエンジン音に着目していきます。

エンジンサウンドの仕組み

エンジンサウンドは燃焼室で起きる爆発音によって生まれる音です。エンジン回転数と気筒数によって、エンジン内で爆発が起きる回数が決まります。これらの爆発音が車の様々な部品やパーツを振動させたり、倍音を発生させることによってエンジンサウンドが作られます。

音の周波数はHz(ヘルツ)と呼ばれる1秒間の振動数を意味する単位によって表すことができ、これをエンジン音に当てはめて考察することによって、様々なエンジン音のフィールを数値化することができます。

例えば、6気筒エンジンが6000rpmで回っている場合、クランクシャフトが毎分6000回転、4ストロークエンジンでは、燃焼回数はその半分の毎分3000回、Hzに換算するため60で割ると1気筒あたりの周波数が50Hz、6気筒エンジンであれば300Hzという計算になります。

気筒が増えるとHz数も増加し、Hz数が2倍になると音楽でいう1オクターブ上がる音になります。

ポルシェ911シリーズのエンジンは、1997年まで製造された空冷エンジンを含め、水平対向6気筒エンジンをRR車と呼ばれる貨客スペースより後方にエンジンを搭載する方式を採用しているため、ポルシェ独自のエンジンフィールを体現することができています。

高騰し続ける空冷エンジン

多くのファンから愛され続けるポルシェですが、その独特な車体とハンドリング、そしてエンジン音はファンではない方でも魅力されることでしょう。

ポルシェ911シリーズでは、1997年まで空冷エンジンを採用していました。
一般的にエンジンを冷却手段として、殆どのメーカーが水冷式を採用していたのにも関わらず、ポルシェは一貫して空冷を採用していました。

空冷式のエンジン音は、メカニカルで乾いたサウンドが特徴的で、防音性能の高い水冷式エンジンでは作ることのできない音のキャラクターとなっています。

海外メーカーで唯一の水平対向エンジン

ポルシェは数少ない水平対向エンジンを採用している自動車メーカーでもあります。

水平対向エンジンとは、左右対称に配置されたピストンが水平方向に対向して動くエンジンのことで「ボクサー・エンジン」とも呼ばれています。

水平対向エンジンとは、エンジンの重心を低くすることができるほか、ピストンが水平に向かい合って往復するため、振動が少ないという特徴があり、独特なエンジンフィールを体感することができます。

より良いエンジン音を奏でるポルシェ独自の工夫

ポルシェはエンジン音をデザインすべく、ポルシェの音響を専門とするエンジニアチームが存在し、開発の段階から幅広い音域を奏でられるよう音の研究が独自に行われています。

現在では、騒音や機能性のアップデートを図るため、水冷式を採用していますが、それでもマフラーの設計や、エンジンに大量の圧縮空気を送り込むターボの設計など、細部に至るまで、エンジンサウンドの音作りを追求しています。

車を走らせる上で、運転する人が気持ち良く運転できるよう、ポルシェとしても音にはこだわりを持ってデザインしていることが伺えます。

まとめ

いかがだったでしょうか。

運転手がいかに気持ち良く車を運転できるか、ポルシェ独自のこだわりが垣間見えたかと思います。

これまでに多くの名車を生み出したポルシェですが、今もなお絶大な信頼と人気を誇っています。

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